126人が本棚に入れています
本棚に追加
/162ページ
3章
「アン、相変わらず早いのね」
ドアからは、白いシャツを着た、赤いロングスカート姿の女性が出てきた。
彼女の名はストラ・フェンダー。
大きな瞳、小柄で細身、前髪を切りそろえたロングヘアの女性だ。
身長が143㎝とかなり小さいので、よく10歳くらいに間違えられるが、アンやリードと同じく16歳である。
「うん、時間大事」
アンがそういうと、ストラは家の中へ彼女を招き入れた。
案内された家の中は、狭いながらも掃除がきちんとされていて、清潔感が漂っている。
そして大広間に入ると、かなり鍛えられた体格をした、金色の短髪の男がテーブルの席に着いていた。
優しい眼差しをアンに向けて、笑みを浮かべている。
「ようアン、休みはどうだ? それともグレイにうるさく言われて、それどころじゃないか?」
豪快に笑うこの男の名はレス・ギブソン。
ストラと一緒にこの家に住んでいる。
今日は家の中とはいえ、そこそこ寒い日だ。
だがレスは、上半身に黒のタンクトップ一枚で、まったく寒そうにしていなかった。
下には、アンと同じように軍服である深い青色のカーゴパンツを穿いている。
最初のコメントを投稿しよう!