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今度、結婚式を挙げる二人だ。
アンは、ストラに椅子に座るように言われ、席に着く。
「朝は食べてきた? 残りもののドライソーセージならあるけど」
ストラに訊かれ、無愛想に手を振り、食べてきたことを伝えるアン。
この二人やリードじゃなければ、その態度を見て、きっと彼女が何かに怒っているように感じただろう。
だが、細かいことを気にしないレスや、相手の内面を見ることを心掛けるストラ、そして何かとアンに付きまとうリードは、彼女が不機嫌ではないことを理解できる。
アンは態度には出さないが(本人は出しているつもりなのだが)、三人のことをとても大事に思っている。
それは、お互いに同じだった。
レスもストラもリードもだ。
城壁の外へ出て、化け物――キメラとの戦いの日々が、四人の絆を深めた。
それもあり、アンとリードも心から二人の結婚を祝っている(リードは憎まれ口を叩いてはいるが)。
レスが残りのもののドライソーセージを、ストラに持ってくるように頼んでいた。
「まだ食べる気なの? いくらカロリー計算されたものだからって、食べ過ぎはまずいよぉ」
そういわれたストラが困った顔をしていた。
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