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背は低いが城壁を思わせるガッチリした体格の男である。
年齢は42歳。
アンたちのことを自分の子供のように思っている。
アンたちから見れば、父親代わりのような人物だ(モズ自身は独身で子供はいない。この国の軍人は皆、子が産めない)。
モズは、まず自分から連絡せず、リードに頼んだことを詫びた。
ストラやレスは、気にしないでください、と言ったが、アンがモズの目の前に立った。
「“モズ隊長”には怒ってない。けど……“モズさん”には怒ってる」
アンがそういうと、皆があたふたし出す。
「アン、モズ隊長がわざわざ謝ってくれてるのに」
ストラがアンの真正面を向き、両手で両肩を掴んでブンブン振った。
アンはただそれに逆らわずユラユラと動かされている。
「モズ隊長、すみません。上官が頭を下げるようなことではないのに……。おい、アン! 隊長になんてことを言うんだ!!」
その横で、レスが慌てて言った。
アンが、ストラに両肩を掴まれたまま言う。
「でも……そういうの大事。だから謝ってくれるモズさんは信用できる。グレイも言ってた」
無愛想に言うアン。
モズは、そんなアンの頭を撫でながら笑顔で言う。
「ああ、ありがとうな、アン」
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