5章

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それと弱冠18歳にして将軍まで上り詰めた彼女には、男性だけではなく女性の信望者も多い。 それから、キャスは話を始める。 ――数か月前、見張りの兵が見慣れない怪しい男を捕らえた。 捕らえられた男は尋問(じんもん)にかけられ、兵に変装して中へ入ったのは、組織の命令でやったことだと白状(はくじょう)する。 なんでもその組織のリーダーに、ストリング帝国の内情を調べるように言われたそうだ。 キャスがドスの()いた声で静かに言う。 「諸君(しょくん)、これは明らかな宣戦布告である」 キャスがいうに、正面の城門から手続き済ませて入国すればいいものを、わざわざ変装して調べようとするなど、何かこの国に害を与えようとしているとしか考えられないと続けた。 「その組織の名はバイオ・ナンバー。我々ストリング帝国に(あだ)なす者たちの集まりだ」 その後、男に案内させ、その反帝国組織のアジトへ向かった部隊が消息を()った。 だが、まだ通信デバイスは生きていたので、消息の絶った部隊の位置はわかっていると付け加える。 「諸君らには、これからその場所へ進軍してもらう。武運を祈るぞ」 キャスの話では、その消息の絶った部隊の捜索を、ここに集められた兵たちで行うようだ。     
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