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そして気まずそうに、手を振ってその場からいなくなる。
「あいつ……思ったとおりだ」
アンが、リードの背中に向かって呟いた。
その後、アンが自宅に到着。
丸太で作られた小さな家。
この国――ストリング帝国では、アンが住むこの家以外は、多くの家がレンガ作りである。
この国の高度な科学力からは信じられないくらいオールドタイプの住まいだが、そんな外観の街には、機械人形が溢れている。
機械人形は街で何をしているのか?
それは人間の代わりに労働をしているのだ。
だから、この国の人間は働いていない。
すべて機械がやってくれるからだ。
そのため、生活のコストは下がり、お金がなくても人並みの生活は保障されていた。
アンは、自宅のドアを開いて中へ入る。
「おいおい、ただいまくらい言ったらどうなんだよ」
そこには、大きな目をギョロつかたせた男が、ソファに座って本を読んでいた。
「グレイ、鍵くらいしないと」
グレイは言われたことに、もっともだと返すと、アンがポツリと言う。
「大事……戸締りは大事」
男の名はシープ・グレイ――。
3年前から、アンと共にこの丸太小屋で暮らしている。
グレイは、すでに30代後半のはずだが、10歳は若く見えた。
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