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何が起きた?
身体が重く、力が入らず、呼吸もままならない。意識が飛びそうになる。
何とか目を開き状況を確認する。
すぐ近くに相棒の姿があって、俺と同じようにうつ伏せで倒れている。そして白いスーツの、白いエナメルの靴が見えた。
「いつの間に……」
さっきまであんなに遠くにいたのに一瞬で距離を詰められた。
「おい!エンジェルズ。作業を進めろ」
「なるほど。こいつらが邪魔していたのだな」
「下級の悪魔2人で何でここ周辺の魂浄化を阻止していたのだ?」
「さあね~。悪魔のやる事だから特にこれといった理由もないんだろうけどさ」
「全く困ったものね。エンジェルズの作成にどれだけ時間がかかるか分からないわ……また当分の間は徹夜ね」
朦朧とする意識の中でそんな会話を聞いた。
そして、
俺達の足元の民家から1人の少女の魂がエンジェルズに連れられて来た。
いつも通りにツインテールに結われた髪、幼いながらもオバさんに似て気品のある大人びた顔立ち、小さく華奢で痩せっぽっちな身体つき、表情は少し暗いが、いつもの、いつも通りのアイツだ。
そんなアイツがエンジェルズに両手を引かれ天へと昇っていく。
俺は何とか上体を起こしてそれを見つめる。
「待って……」
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