悪魔 パイロ

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待って、待ってくれ。そいつはまだ、そいつはまだなんにも……。それにそいつには夢があって、いつも努力して、頑張ってて、だから……だから……。 俺の想いは届かずにエンジェルズは雲の切れ間から天へと消えた。 ごめん……俺、お前を守ってあげられなかった。本当にごめん。 自分の非力さを悔やんでいると金髪の天使が言う。 「なるほど。お前達の行動が今やっと理解出来たよ」 「ああ。そしてお前が純粋な悪魔ではなく、元人間だという事も」 「はぁ……。じゃあ仕方がないね~連れて帰ろう。今月だけで何人目だっけ?」 「7人ね」 「ほら行くぞ。お前達はこれから聖樹ユグドラシルの下でお仕置きだ」 俺と相棒はふわりと宙に浮いて、そして。 雲の切れ間に入っていった。 目も開けられないような光が溢れる世界で俺の意識はふっつりと途絶えた。
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