獅子戸 拳 (ししど けん)

6/8
前へ
/58ページ
次へ
結局。 見田村さんの見事な化粧の腕と、兼子の懇切丁寧な指導により、俺は一風変わった特殊な潜入のコツを身に付けてしまった。 「これなら、拳一人で潜入させても大丈夫そうだな。...まぁ、しばらくは兼子が近くで待機して、何かあれば駆けつけられるようにしておくか。」 「そうですね。」 兼子と陣さんの間では、見事に話がまとまってしまっている。 「さすがだな、拳。こんな短期間でマスターするなんて。」 陣さんが褒めてくれて、あまり嬉しくなかったのは初めてだった。
/58ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加