さん

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翌日の放課後。 またしても下駄箱で呼び止められた。 「あのっ」 「はい」 「矢水くん、好きな人がいるって、ホントですか?」 「??……いや、知りませんけど」 わたしに聞かれても。 「あなたじゃないんですか?!」 「はい!?…いや、えっと」 泣き怒りな様子で。 「とぼけないで!あなたを追いかけて同じ学校に入ったことも噂で聞いたんだから!!」 そんなこと言われても。 嫌いなものは嫌いだし。 好き嫌いははっきりしてる方だった。 人参とピーマンと同じくらい、矢水が嫌いだ。 「悔しい!!」 ついには、わっと泣き出し、走ってどこかにいってしまった。 取り残され、ぽかんとする。
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