さん

3/7
前へ
/55ページ
次へ
「女の子泣かしちゃダメじゃないですか」 「ち、違います…」 背後からの声に振り向き言って固まる。 王子様だ。 いや、白馬の王子様に見えたのは、白衣を纏った保険医の白鳥(しらとり)先生だ。 なんというこてでしょう。 耳まで赤くなったわたしは見惚れてしまった。 どう見てもアラフォーの、妙に落ち着いた白鳥先生に、恋してしまった。 結婚指輪はしていない。 いやしかし、確かめてどうするどうなる。 単身赴任してきたらしい白鳥先生は、整った顔立ち。 ふわりとした髪。背も高く、物腰柔らかく、静かで、大人の魅力を感じた。
/55ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加