さん

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「しらとりせんせー、結婚してるんですよね?」 保健室の引き戸を開けるなり矢水が。 事務机に向かっていた白鳥先生が振り向く。 「いや、腹痛は?!」 「ねっ!せんせー」 聞いてないし。 「してませんが、なにか」 思春期の男子にエグられ、若干イラッとする。 「ないんですか?なんでなんで?」 「ほっといてください」 わたしの方をチラッと見ると、 「お話はそれだけですか?」 「しっ!失礼しました!」 赤くなってわたしは矢水を引きずるように保健室を後にした。 「あんた!なにがしたいのよ?!」 「なんや。しょーもな」 ふて腐れ、またスカートを捲る。 「ひゃあっ!?」 「教室戻るで」 始業チャイムが鳴った。
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