名前を呼ばないで

よん

「御手洗花子(みたらいはなこ)です！！よろしくお願いします！！」

２週間後。

時期遅れの転校生として、彼女は実に堂々と声を張って名乗った。

机で頬杖を突いていたわたしは顔を落とした。

「みたらい………はなこ」

ミタライという名前があることも知らなかったし、ましてやそこに花子さんとは。

しかし彼女はキラキラと輝き、生き生きとしていた。

ややぽっちゃりの花子さんはクリクリのお目めで可愛らしい顔立ち。

髪は癖っ毛だけど、頭のお団子はわたしより可愛かった。

痩せたらきっとモテるだろうな。

自己紹介が終わると早速、数人が集まる。

「花子ちゃん、どこから来たの？」

「趣味は？好きな食べ物は？って、聞いちゃまずい？」

「大丈ブー」

鼻を上げておどけてみせる。
つ、強い。

わたしはなんて小さい……。

右に矢水、わたしを挟んで花子さんだ。

訳がわからない。