37人が本棚に入れています
本棚に追加
ヴィエゴとリビアは既に病に臥せっており、病院に入院していた為、何も言う事はしなかった。
唯一、一緒に連れて来たフランツだけがエデルの話し相手だったが、だんだんとフランツもエデルと口を聞かなくなった。
今では必要なこと以外は何も話をしない・・・。
それでもエデルは満足しているようだ。
自分が王妃で国を支配していると思っているからである。
今回のミディアルの無罪報道について、不服を申し立てると検察局に訴え出ているようだが、保留のまま取り合ってもらえない状態である。
イライラしながら、タバコをふかして窓の外を見ているエデルは、獲物を狙う魔女のような目をしてる。
「ミディアル・・・どこにいるの? いったい・・・」
机の上にある写真たてに目をやるエデル。
「邪魔はさせないわ。・・・この王家一族は、根こそぎ潰してやる・・・」
写真縦には、エデルによく似た1人の女性と小さい頃のエデルが写っている。
「・・・おばあ様の仇は、必ず・・・」
窓際に置いてある小さな小瓶を手に取るエデル。
その中には白い粉が入っている。
「やっぱり、罪をかぶせるだけじゃやだめね」
そう言って手にしている小瓶を怪しく見るエデル。
「急がなくちゃね・・・」
恐ろしく恐怖に満ちた目で小瓶を見つめ、怪しく笑うエデルはまるで魔女のような目をしている。
最初のコメントを投稿しよう!