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カリナスはリムルの目を見ると、辛くなった、しかし、これを受け取らないと何も報われないと悟った。
「分かりました。これは、快く受け取ります」
そう言って、紙を鞄にしまうと、代わりに分厚い封筒を差し出し、リムルに渡すカリナス。
「これは、私からの贈り物です。受け取って下さい」
分厚い封筒を受け取り、リムルは中を見た。
「・・・確かに受け取りました。ご協力感謝いたします」
「いいえ。本当に、これで私も心が軽くなります。罪に問われても、何も悔やむ事はりません」
「罪にはならないように、私の方から話しておきます。もう、あなたは十分に償ってくれています。これからは、多くの人々を救ってあげて下さい」
「そうします」
リムルとカリナス医師の密会。
それは何かのトレードのようだった。
南グリーンピアトからやって来たカリナス医師。
この人物が、この先大逆転のカギを握っている事は言うまでもなかった。
しかし。
この2人の密会をガラスの向こうで見ていた者がいた。
「・・・あの人は、確か国立病院にいたカリナス医師。・・・」
見ていたのは偶然その場に居合わせたラディスだった。
公務に来ていたラディスが立ち寄った個室のカフェに、ガラスの向こう側で密会してるリムルとカリナスを目にして、そのまま様子を見ていたのだった。
話している内容は聞こえないが、リムルがカリナスに何かを渡し、カリナスがリムルに何かを渡している様子は見る事ができた。
親密な様子を2人を見て、何か秘密がある事は直感的に感じたラディス。
しばらくして、カリナスはテノリエと一緒に帰って行った。
リムルはカリナスから受け取った書類を持って、検察局へ戻って行った。
ラディスは様子が気になり、こっそりカリナスの後をつけて行った。
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