第3章 ・・・無罪。そして始まる逆襲?

9/11
前へ
/111ページ
次へ
「国王様。ミディアル様のご両親は、最後までミディアル様の無実を信じておられました。どんなに非難されようとも、絶対に無実が晴れる日が来ると最後まで言っておられました。最後に接したのが私でありながら、護り切れなくて申し訳ないとずっと後悔しておりました」   「・・・分かりました。・・・話してくれて有難うございます」    溢れそうな涙を呑んで、ラディスはそっと微笑んだ。 「いいえ。私も、これで心置きなく出発できます。国王様なら、ミディアル様を幸せにしてくれると信じられますので」  カリナスは右手を差し出した。  ラディスはカリナスの右手をとり、そっと握手した。 「何かお困りの時は、いつでもご連絡下さい。お力になりますので」 「ありがとうございます。いつか、またお会いできるといいですね」  ラディスはミディアルの家族の事を聞いて、酷くショックを受けていた。  大切な家族を殺されてしまい、犯罪者の汚名まで背負って、どんな気持ちでいるのだろう・・・  もっと早くミディアルの家族の事まで気が付いていれば、こんな事にはならなかったのかもしれない・・・  自分を責める気持ちと、ミディアルを想う気持ちが沸き上がって来て、ただ・・・ただ・・・  ミディアルに会いたい・・・  そう思う気持ちだけが膨らんできたラディス。  その後、2時間後に北グリーンピアト行くの船が出航した。  この船が出航したら次の便は来月にならないと出る事はない、また、北グリーンピアトから来る船もすぐにはこない。  グリーンピアトの最も北の最果てにあるとても寒い地。  南グリーンピアトとは全く違う地に、カリナスは行ってしまった。  海岸。  波打ち際で、リムルが佇んでいる。  北グリーンピアト行きの船が出航するのを見送っているようだ。
/111ページ

最初のコメントを投稿しよう!

37人が本棚に入れています
本棚に追加