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ざわついている使用人達をよそに、リラはラディスに呼び出されていた。
「使用人達もかなり騒いでいるようだな」
「はい。申し訳ございません」
「これで、検察もエデルの取り調べに入るだろう。そうなれば、また、この城から逮捕者が出る事になるのか」
「国王様、どうなさるのですか? このままでは、マスコミまでお城に押しかけてきます」
「検察に任せるしかないだろう。それに、エデルは王室はと無関係の人間。ただの居候だ。何も心配する事はない」
「はい・・・」
コンコン。
「国王様、失礼します。検察局の方がいらしております。お通ししてもよろしいでしょうか? 」
「構わん。入ってもらえ」
ラディスが返事をすると、間もなくして、検察局から来た検察官2名と、局長のジェスナーがやって来た。
「国王様、無礼を承知で越させて頂きました」
ジェスナーが挨拶をすると、ラディスはジェスナーをソファーに座るように促した。
「失礼します」
ジェスナーが促された通り、ソファーに腰かけた。
着いてきた検察官は、傍で立っていた。
「エデルの話しか? それなら、私は一切知らない。何も関与していないからな」
「はい、それは承知でございます。王妃様と、直接お話をさせて頂く事はできますでしょうか? 」
「リラ、客間にエデルを連れて来てくれ。部屋にいるだろう。私は何も言う事はない」
「かしこまりました」
しばらくして。
客間にエデルを連れてきたリラ。
ラディスは特に関係ないと言って、窓際で外の目をやっていた。
エデルは相変わらず派手に着飾って、ジェスナー達を見下してみている。
「王妃様に恐縮でございますが、今回の報道にて、やむを得ず我々も動かざるおえなくなりました。調査には時間がかかります。王妃様を検察局にお連れして、取り調べを行う必要性もございます。ですが、そのような長い時間、王妃様を拘束するのは恐縮でございます。なので、検察として、少し取引をさせて頂きたく思いまして、本日はお邪魔させて頂きました」
「取り引き? 一体なんなの? 」
ジャスナーは少しニヤリと笑いを浮かべた。
「私も承知している事でございますが、ここは、担当の検事より申し上げさせて頂こうと思います」
「担当検事? 誰なの? 」
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