第4章 エデルの秘密

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 ジャスナーは検察官に目で合図した。  1人の検察官が、部屋を出て検事を呼びにいた。 「失礼します」  検察官が担当の検事を連れてきた。  エデルは、ん? と検事を見た。  傍にいたリラは検事を見ると息を呑んだ。 「王妃様、初めまして。今回、王妃様の一件を担当します。南グリーンピアトから参りました、私(わたくし)検事のリムルと申します」  リムルの名前を聞いて、ラディスは驚いて振り向いた。      しなやかに一礼するリムルを見て、エデルは驚いた顔をした。 「南グリーンピアトの検事が、なんでグリーンピアトの事件の担当なの? 」 「申し訳ございません。この件に関しては、証言者が南グリーンピアトの医師ですので、私が担当をさせて頂いております。この件に関しましては、既に3年前から疑惑が持ち上がっておりましたので、綿密に調査をしておりました。今回、重要な証拠品が上がってまいりましたので、あの報道とは関係なく、ご事情をお伺いするところでした」  エデルはリムルを睨みつけた。 「で、私に何を聞きたいわけ? あの記事なら、偽物よ。写真の手紙なら、ただ、貴族の名前に傷をつけない為に死因を変えてもらうように、お願いしただけ。偽造何てとんでもないわ」  リムルとジェスナーは顔を見合わせた。 「王妃様。もう、この事件は12年も経過しております。今更、調査をしても証拠も曖昧でしょう。しかしながら、わずかな証拠でも、動かざるおえないのが、我々検察側の仕事です」
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