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「10憶が高いか、安いかはご自分でお決め下さい」
リムルはエデルに振り向くと余裕の笑みを浮かべた。
「聞くところによると、貴女が王妃になってからは国民の支持率もかなり下がっているようですね? この王室も、かなりの赤字だと伺っております。南グリーンピアトにいても、かなりの話題になっていました」
エデルは何も言い返すことができず、苦渋な表情を浮かべた。
「王妃様がその気になれば、10憶ギロなんてお金、すぐにでも手に入るのではありませんか? 」
「はぁ? 」
「世の中、捨てる人ばかりじゃありませんから。王妃様が、保釈金を支払う気になればきっと助けてくれる人が来るのではないでしょうか? 」
エデルの傍へ行き、書類を手に取るリムル。
「こちらの書類、一旦持ち帰ります。お返事は・・・そうですね、3日待ちます。
その間、貴女がお城で暴走しないように複数の検察官を警備に着けておきます。申し訳ございませんが、お返事を頂くまで監視させて頂きますのでご容赦下さい。3日後に、お返事をお伺いします」
書類を鞄にしまうと、リムルはエデルに笑いかけた。
「お待ちしている間に、神様が来てくれると良いですね。幸運をお祈りします。では、今日はこれで失礼します」
ジェスナーも検察官も、立ち上がり、一礼して去ってゆく。
ラディスは後を追った。
ジェスナー達が去った後、入れ替わりに複数の検察官が現れた。
リラは急展開する事に、驚きのあまり言葉が出なかった。
玄関に止めてあった車に乗り込むジェスナーと検察官。
後から来たリムルは、別の車に向かった。
「待って下さい! 」
車に乗り込もうとするリムルを、ラディスが呼び止めた。
リムルは背を向けたまま立ち止まった。
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