第1章 南グリーンピアトからの訪問者

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 ミーシェルはそんなラディスに気が付き、女性の傍に行き、耳元で何かを囁いた。    女性はゆっくりとラディスを見る。  サングラスの女性と目が合うと、ラディスは何故かドキっとした。  女性は帽子とサングラスを外した。  帽子を取ると、女性の髪は、綺麗な金色の近いショートヘヤー。  目は冷たい切れ長で、青い瞳・・・  綺麗な顔立ちと言うより、冷たい魔女のような顔をしている。  そんな女性を見て、ラディスは息を呑んだ。  無表情のまま、女性はラディスに歩み寄った。 「・・・大変失礼いたしました。私(わたくし)、南グリーンピアトにて、検事を務めております、リムルと申します」  そう言って、バッグから手帳を取り出しラディスに差し出した。  その手帳は検察局の検事である証明手帳。  そこには顔写真と名前が記載されており、南グリーンピアトの検事である事が証明されている。  手帳を見て、ラディスはもう一度リムルを見つめた。 「この度は、ご愁傷さまで・・・皇女様の訃報は、南グリーンピアトにも届いておりました。少し遅れましたが、今朝、ちょうどグリーンピアトに戻ってまいりましたので、皇女様にお祈りさせて頂きました」 「南グリーンピアトの・・・検事さん・・・。グリーンピアトに戻って来たと言う事は、もともと、こちらの方なのですか? 」  ラディスに尋ねられると、リムルは口元にニヤリと笑みを浮かべた。  その笑みが少し怖くて、ラディスは恐怖を感じた。  ふと、腕時計を見るリムル。 「大変申し訳ございません。先を急ぎますので、ご質問の途中ですが、失礼させて頂きます」  会釈をして、去ってゆくリムル。  その後をミーシェルも追った。
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