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ミーシェルはそんなラディスに気が付き、女性の傍に行き、耳元で何かを囁いた。
女性はゆっくりとラディスを見る。
サングラスの女性と目が合うと、ラディスは何故かドキっとした。
女性は帽子とサングラスを外した。
帽子を取ると、女性の髪は、綺麗な金色の近いショートヘヤー。
目は冷たい切れ長で、青い瞳・・・
綺麗な顔立ちと言うより、冷たい魔女のような顔をしている。
そんな女性を見て、ラディスは息を呑んだ。
無表情のまま、女性はラディスに歩み寄った。
「・・・大変失礼いたしました。私(わたくし)、南グリーンピアトにて、検事を務めております、リムルと申します」
そう言って、バッグから手帳を取り出しラディスに差し出した。
その手帳は検察局の検事である証明手帳。
そこには顔写真と名前が記載されており、南グリーンピアトの検事である事が証明されている。
手帳を見て、ラディスはもう一度リムルを見つめた。
「この度は、ご愁傷さまで・・・皇女様の訃報は、南グリーンピアトにも届いておりました。少し遅れましたが、今朝、ちょうどグリーンピアトに戻ってまいりましたので、皇女様にお祈りさせて頂きました」
「南グリーンピアトの・・・検事さん・・・。グリーンピアトに戻って来たと言う事は、もともと、こちらの方なのですか? 」
ラディスに尋ねられると、リムルは口元にニヤリと笑みを浮かべた。
その笑みが少し怖くて、ラディスは恐怖を感じた。
ふと、腕時計を見るリムル。
「大変申し訳ございません。先を急ぎますので、ご質問の途中ですが、失礼させて頂きます」
会釈をして、去ってゆくリムル。
その後をミーシェルも追った。
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