第1章 南グリーンピアトからの訪問者

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「南グリーンピアト・・・ずいぶん遠くから・・・。だけど・・・」  去り行くリムルの後ろ姿を見ながら、先ほどまで虚ろ気味だったラディスの目が、だんだんと光を取り戻したかのように、イキイキとしてきた。  朝日が昇り始めてだんだんと明るくなってきた。  ラディスはミーシェルとリムルと別れて、王家のお墓にやって来た。  真新しい十字架に、歩み寄ってくるラディス。  すると・・・  十字架の前に、1人の少年が立っていた。  後ろ姿から見てもまだ幼い子供のようである。  背丈も中くらいで、柔らかそうなサンフラワーのショートヘヤーが可愛らしい。  ラディスは立ち止り、少年の後ろ姿をじっと見つめた。 「おはようございます、国王様。少し、遅かったのではありませんか? 」  そう言って、振り向く少年。 「え? 」    振り向いた少年に、ラディスは驚いて、持っていた花束を落としてしまった。  朝日に照らされて、輝いて見える少年は、まるで天使のように綺麗な顔をしている。  子供らしく丸い輪郭の顔に、ぱっちりした睫毛の長い目に青い瞳。  スッと筋の通った高い鼻に、魅力的な唇。  黒いスーツを着ている姿は、まるでどこかの皇子様のようである。 「・・・ミディアル? 」  ラディスが呟いた。  少年はちょっと悪戯っぽく笑った。 「違います。僕の名前は、ランフルクと言います。初めまして、国王様」  初めましてと言うわりには、なんだか前から知っているような顔をしている少年ランフルクに、ラディスは何故か胸が熱くなるのを感じた。
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