おはよう

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おはよう

 目が覚めるとそこには、一面のヒマワリ畑が広がっていた。上を見ると、太陽が輝いている。まるでお母さんにほほえまれたみたいに、ぼくの心は温かく満ち足りた。 「ああ、ぼくもあんなふうに輝きたい!」  気がつくと僕は、声を出していた。その声で、周りのヒマワリたちがいっせいにぼくの方を向く。 「やあ、おはよう」 「やっと目覚めたかい」 「土の中はせまかっただろう。地上に出たからには、今までよりものびのびと暮らせるだろうよ」  ああ、そうだ。ぼくは土の中で眠っていたんだっけ。  みんなは背が高いなあ。ぼくもあんなに立派になりたい。  うーん、と背のびをしてみる。それでも、大人のヒマワリのほうがずっとずっと背が高い。  土の中で小さくなっていた体をのばすのは、なんていい気持ちなんだろう。土の中はなんだかきゅうくつだったけれど……。   もう一度背のびをしてみる。うーん、やっぱり気持ちいい。これが、のびのびってことなのかな?ということは……これが「自由」ということなんだ! 「ぼくは自由なんだ!」  そうだ、自由だ。どこまでもどこまでもぐんぐんのびることができるのが、それが自由なんだ。  ぼくは少し、大人に近づけた気がした。もっともっと太陽の光を浴び、土の栄養分を吸収して、もうすぐ大人になれるんだ!  大人になったら、大きな輝く花を咲かせよう。ヒマワリのぼくは、心の中でそっとつぶやいた。 
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