32人が本棚に入れています
本棚に追加
「あそこであなたを見つけた時、胸の奥がキューっとなったのよ。なんだかとても愛おしい感じがしたわ。『この人を護りたい』そう思ったの」
「琥珀さん」
私は琥珀の手を取った。自然に涙が頬を伝う。
「ごめんなさい。琥珀さんの気持ちも知らずに、あんな酷い態度をとってしまって……。本当にごめんなさい」
「いいのよ」
琥珀がにっこり微笑んだ。
「私だって、コスモの事をよく知りもしないであんな事を……。本当にごめんなさい」
私たちは、二人でしばらく謝り合っていたが、そのうち、どちらからともなく笑い出した。
「お互い様ね」
「ほんとだね」
二人の笑い声が、清麗の丘に響き渡った。
最初のコメントを投稿しよう!