6ct

18/18
前へ
/155ページ
次へ
「あそこであなたを見つけた時、胸の奥がキューっとなったのよ。なんだかとても愛おしい感じがしたわ。『この人を護りたい』そう思ったの」 「琥珀さん」 私は琥珀の手を取った。自然に涙が頬を伝う。 「ごめんなさい。琥珀さんの気持ちも知らずに、あんな酷い態度をとってしまって……。本当にごめんなさい」 「いいのよ」 琥珀がにっこり微笑んだ。 「私だって、コスモの事をよく知りもしないであんな事を……。本当にごめんなさい」 私たちは、二人でしばらく謝り合っていたが、そのうち、どちらからともなく笑い出した。 「お互い様ね」 「ほんとだね」 二人の笑い声が、清麗の丘に響き渡った。
/155ページ

最初のコメントを投稿しよう!

32人が本棚に入れています
本棚に追加