7ct

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「それに、あなたがコスモと出会った事も、何か意味があるような気がするのよ」 「と言うと?」 「だって、そんな話は聞いた事がないもの。実際、迷いの森に入った話なんて……。もっとも、『彷徨える魂に連れ去られる』なんて恐ろしい言い伝えがあれば、近付く者など誰もいないと思うけれど……」 意味深な目で見つめられ、私は思わず肩をすくめた。 どうせ私は、規格外です。 「でも、あなたは入った。そして出会った。彷徨える魂に」 「でもさ、そんな言い伝えがあるって事は、他にも確かめた人がいるって事だよね。ずっと昔に」 「さあ。私にはわからないわ。でも……」 琥珀は、まるで何かを探るように、私の瞳の奥を覗き込んだ。
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