32人が本棚に入れています
本棚に追加
/155ページ
「わかった。もう何も言わない。だけど……」
私の髪をゆっくり撫でると、ガーネットは大きく溜息を吐いた。
「タンザナイトに伝言頼んだけど、やっぱり自分で言わなきゃダメだね」
ガーネットの澄んだ紅い瞳が、真正面から私を捉えた。
「あたしは、アメシストの事が大好き。大切な仲間だと思ってる。だから、信じて待ってる。あんたが、その恋に決着つけて帰って来るのを。だからちゃんと、戻って来て……」
「ガーネット……」
私は堪らず、ガーネットを抱きしめた。
「大丈夫。ちゃんと戻って来るから。私だって、ガーネットのこと大好きだもん」
「どうせコスモの次でしょ?」
ガーネットが、泣きながら笑った。
「その指輪、アメシストと同じ紫色。悔しいけど、良く似合ってる」
「ありがとう。コスモに言っとく」
「馬鹿……」
息ができない程強く、ガーネットが私を抱きしめた。
最初のコメントを投稿しよう!