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「ここはね、魂の世界なの」 「魂の……?」 私は、ぐるりと辺りを見回した。 目の前には、色とりどりの花が咲き乱れている。 どれもこれも、初めて見る花ばかりだ。 花には詳しくないので、確かなことは言えないが、多分、とても珍しい品種に違いない。 何しろ、花びらが全てガラスのように透き通っているのだから。 その一枚一枚が、陽の光を浴びてキラキラ輝いている。見た目はガラスのようだが、どうやら材質は柔らかそうだ。風になびいてヒラヒラ揺れている。 遠くに林も見える。木の葉が輝いているのを見ると、あれも同じ素材なのかも知れない。
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