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ふっと笑みをこぼすと、コスモが私に視線を戻した。
「僕は、君に会えた。君が、会いに来てくれた。他の彷徨える魂がどうなのかはわからない。だけど、これってもしかすると、すっごく幸せな事なのかも知れないよ」
「そう……なのかなぁ?」
「そうだよきっと。だから僕は大丈夫。彷徨える魂の中でも、僕はきっと優秀なんだ」
「優秀って……」
思わず吹き出した。
私につられ、コスモも笑った。
二人を取り巻く空気が、少しだけ柔らかくなったような気がした。
「また会える?」
コスモが聞いた。
「もちろん。来るなって言われても来るから」
「その話はもうやめようよ」
バツの悪そうな顔で、コスモが頭を掻いた。その姿に、私はまた少し笑った。
「リセットされたら、真っ先に飛んでくるから」
「うん。待ってる」
「それじゃ」
「また」
名残惜しさを残しながら立ち上がると、私はナビゲーションピクシーを呼んだ。
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