6ct

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ふうっとため息をつくと、「アメシスト……」琥珀は私の肩に手を置いた。 「ここでは、何をしても構わないと言ったわ。けれどそれは、ジュエル国での話よ」 「迷いの森は、ジュエル国ではないってこと?」 「やっぱり行っていたのね。迷いの森に……」 「う……」 ぐうの音も出ないとは、この事だ。 琥珀はゆっくり窓辺に近付くと、窓の外に広がる草原に目を向けた。草原の向こうに、うっすらと、清麗(せいれい)の丘が見える。 「あそこはね、ジュエル国であって、ジュエル国ではないの。異空間とでも言うのかしら? あそこに導かれた魂は、こちら側には来ることができないと言われているわ」 「でも、私はちゃんと戻ってきた」 「そうね……」 琥珀がこちらを振り返った。 逆光に象られ、琥珀はまるで女神のように光り輝いていた。 「よくわからないのだけれど……」 そう前置きをすると、琥珀が自分の考えを述べた。 「あなたの魂は、元々ここへ導かれた魂。だからきっと、戻って来られたのだと思うわ」 「じゃあ、コスモは?」 「コスモ?」 琥珀が首を傾げた。 ここまで来たらもう、正直に話すしかない。 私は観念し、これまでの事全てを打ち明けることにした。
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