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「アメシスト。あなたはとても純粋な魂をしています。それは、素晴らしい事です。私は、こんな素直な人を見たことがありません」
「そんな事……」
私は恥ずかしくなって、下を向いた。
「ですが、それは同時に、危険を孕んでもいるのです」
「えっ?」
驚いて視線を上げると、タンザナイトの真剣な瞳と目が合った。
「あなたは疑うことをしません。どんな事でも素直に受け止めてしまう。まるで子供のように」
「また子供扱い?」
少しむくれた私に、「真面目に聞いてください」タンザナイトが諭すように言った。
「そこが心配だと、琥珀さんがおっしゃっていました」
「琥珀さんが?」
急に飛び出したその名前に、私は思わず姿勢を正した。
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