6ct

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「あ、そうそう。ガーネットも心配していましたよ」 「ガーネットが?」 「はい。彼女は素直ではありませんからね。あなたと違って」 クスッと笑うと、タンザナイトは続けた。 「ガーネットからの伝言です。『止めても聞かないだろうから止めない。だけど、必ず戻って来なさいよ。あたしはアメシストを信じてる』だそうです。面と向かうと喧嘩腰になりそうだからと、私に伝言を託したそうです」 「ガーネット……」 「アメシスト。あなたは、自分で思っているよりずっと、色んなものに護られているのですよ。その事を忘れないで下さい」 私の頬に、涙が伝った。 「ありがとう。タンザナイト。私もタンザナイトの事、大切に思ってるよ」 「ありがとうございます」 王子様のような優雅な仕草で、タンザナイトが深々と頭を下げた。 「では、またどこかでお会いしましょう」 「うん。またどこかで」 にっこり笑うと、タンザナイトは戻って行った。 これから始まる、長い長い、瞑想の世界へ……。
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