6ct

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「それよりこれ、どうしたの?」 コスモが私の両手を掴んだ。 「あ。そうだった」 私の両手には、たくさんの花が握られていた。 迷いの森に入る前に、清麗の丘で摘んできたのだ。 「これでね、花飾りを作ろうと思って」 「花飾り?」 「そう。ここには何もないでしょ? 私のいない間、コスモが暇を持て余してるんじゃないかと思って」 「そっか。ありがとう。助かるよ」 コスモは少し笑ってから、「……にしても、花飾りって……」と苦笑いした。 「本当はね、魚とか作りたかったんだけど、なんだか難しそうで……。結局、唯一作れるようになったのが、花飾りで……」 「ふぅん」 腕を組むと、コスモが横目で私を見た。 「で、その可愛らしい花飾りを、僕に作れと。まあいいけど」 「いいじゃん。出来上がったら、貰ってあげるからさ」 「調子いいなぁ」 少し小馬鹿にしながらも、「貸して」と、コスモは手を出した。 「よし。じゃあ、始めましょうか」 私は先生さながらに、花飾り制作の説明を始めた。
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