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なぜ、あの台詞を?
あれから私は、タンザナイトの言葉を何度も思い返していた。
――私は、ただ純粋に、はしゃぐあなたの姿が、まるで子供みたいだと思っただけです。
――特に思い入れのある言葉だとは思いませんが。
――もしかしたら私たち、生前、何か関わりがあったのかも知れませんね。だって、ここにいる人たちは皆、深い縁で結びついているのでしょう?
確かにそうかも知れない。あんな言葉は、普通に会話していれば、いくらでも出てくるだろう。特に珍しい言葉ではない。
それに、私が引かかっている言葉とは、微妙にニュアンスが違うような気がする。
あれは確か……。
――君って、まるで子供みたいだね。
そうだ。
もっと親密で。愛おしくて。苦しいほど切なくて……。
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