7.反撃

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 生徒たちの行き来で、学校内が騒がしくなっている中、化学の鍛冶先生は、野球部の陣川大輔らを極秘に呼んだ。 「君たちには重要な任務を与える」  鍛冶先生は大輔の手に小さなボールを手渡した。大きさはソフトボールくらい。アルミホイルで包まれ、一カ所から導火線のようなものが突き出ていた。 「これはテルミット反応を利用したビックリ玉だ」  大輔はちょっとびびった顔を見せた。 「心配することはない。普通なら爆発も炎上もしない。アルミニウムと酸化鉄の粉末を混合して練り固めたものだ。だが、ひとたび反応すると、爆発的に三千度の熱を発する」 「これを投げつけるんですか」 「敵を怯ませるには充分だ。野球のボールを投げるよりは効果がある」  大輔は手の上でボールを転がした。 「火をつけて三つ数えた後に投げるんだ。敵の頭上で爆発すれば成功だ」 「ちょっと軟らかいですね」 「硬球のようにはいかんさ。でも、お前ならこれでもストライクは投げられるだろう」 「もちろん」  大輔はじっとボールを見た。 「三階の奴らの仇をうってやりますよ」  鍛冶先生は大輔と控えのピッチャーにテルミット弾を与え、残る野球部員に火炎瓶を渡した。 「頼むぞ。このビックリ玉が相手をびびらせられるかどうかが、みんなの運命を左右する」
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