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『ひどいじゃないですか』
よろよろと車内へ戻り、魂のままシートに腰を据える。
「なるほど。多少無理をしても大丈夫なようだ。審査部のテストを通っただけのことはある。さすがだね」
『…………。どういう意味ですか?』
一応訊いてみたものの、返ってくる答えに嫌な予感しかしない。
今の科白とさっきのボヤキを繋ぎ合わせて想像すると、とんでもない事件が待ち構えてる感じがするんですけど。
「仕事はしないつもりだが、万が一ということはある。そうなった場合はしっかりフォローするから安心したまえ」
旅番組風に沖縄を楽しめるかもしれない、と感じたのは夢だったようだ。
『嘘でもいいから、誰にでもできる簡単なお仕事だと言ってくださいよ~~~』
やっぱり待ち構えてるのは、とんでもない事件に巻き込まれる系の話じゃないか~~~。
「オカルト番組のロケも同時にできそうだね」
『ううう……。俺、幽霊嫌いなのに~~~(涙)』
「はははは。幽霊で済めばいいけどね」
『ぎゃあっ。そういう怖いこと、爽やかにさらっと言わないでくださいよっっ』
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