救われる世界

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一つ、一人の秀才が統治するレスガント王国 これらの国は拮抗し、お互いに甚大な被害を及ぼした。為政者は焦り、レスガント王国が打診した三ヶ国同盟――すなわち停戦を受け入れた。それが聖歴1418年、今から10年前である。 三ヶ国同盟が結ばれ、レスガント国王はさらに一つの案を提示した。これからの未来を担う若者を育てる三ヶ国共同の機関を作ることを。国という垣根を越え、理解しあえる環境を整えるべきだと。他二国は悩んだのち、これを了承する。これを理由に、三ヶ国の緩衝地帯に学園自治州が出来た。これがリンクス学園の誕生である。 これを期に、一人の人物が帝国を訪れる。かつて剣聖と呼ばれ、英雄と呼ばれる人物だ。英雄は帝国に加わった。それを知ったレスガント王国とフィアル連合国は焦る。最も強き国に、英雄。三ヶ国同盟のバランスが崩れたのだ。帝国一強時代が始める、と。 が、二国の心配は杞憂に終わる。英雄は以前の力のほとんどを失っていた。人並外れた強さはあるが、現代兵器に及ぶような力はない。また、英雄自身が三ヶ国同盟を歓迎し、リンクス学園を歓迎した。帝国の暴走を抑える楔となったのだ。     
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