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第3章 ローマ劫掠
#3-1 ある急展開
§A32 花月朗の不安
「大分学校の環境が改善したようじゃないか」
花月朗がそんな事を言う。
毎度お馴染み有明オープンテラス。
奇妙な人物アバターが行き交ういつもの場所だ。
「まあな。糀谷さんには感謝しているよ。色々な意味であの人のおかげだしさ」
あれから学校があったのは3連休明けの1日、つまり今日だけ。
それなのに。
英語の授業の後に取ったノートを確認させに僕の席まで来たり。
他の休み時間にも話しかけてきたり。
そんな糀谷さんの言動のおかげで、僕の色々な行動は知佳の為だったという事が周知されてしまった。
おかげで昼飯の時は他の男子に知佳が可愛いかどうか聞かれたり。
本当に可愛いかどうかお見舞いで確認しようという話になりかけたり。
それを慌てて僕が止めに入ったりと。
まあ今までの揺り返しを含めた色々があった訳だ。
つまり僕の学校内での環境は一変してしまった。
全くコミュ力強い女子というのは恐ろしい。
まあそれはそれで悪くはないのだけれど。
「何ならこの隙に小島知佳から糀谷彩月に乗り換えたらどうだ」
一瞬僕は向きになって反論しそうになるけれど、何とかそれを押しとどめる。
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