プロローグ

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「随分姿形が違うな」 「この方が目立たなくていいわ。どうせこの世界、外見なんて只のデータよ」  声や言葉は姿形にあったもの。  でも彼女の言い分は正しい。  所詮この世界では外見や声など只のデータ。  そしてこの少女は間違いなく奴、花月朗だ。  証拠はさっきの仮面だけ。  でも僕のカンはそう言っている。 「随分遅かったわね。いつもは昼休みにもVRしていると思ったけれど」 「色々確認したかったからさ。時間に余裕を持ちたかった」 「その慎重さは悪くないわ」  彼女は頷く。 「なら何でも確認して。でもその前に場所(アドレス)を変えない?ここは話に適した場所では無いと思うわ」 「何処がいい」 「どこでも、任せるわ」  ならば。  僕はある場所(アドレス)を提案する。  ここより自由で監視の可能性が少ない。  そして色々な意味で花月朗に適していそうな場所だ。
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