プロローグ

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 いや、おかしいのはむしろこの後に言う事がメインと言ってもいい。  この一週間、昼休みの彼の行動はいつも同じ。  彼はノートを取り終わった後、カバンからパンを出してささっと食べて。  その後スマホにVRアダプタを繋いでセットする。  そしてそのまま昼休み終了の予鈴まで、VR世界に行ったままだ。  別に学校でVRアダプタが禁止されている訳では無い。  文庫本や漫画本と同じようなものだ。  イベント等がある日はかけている生徒も多い。  ただ毎日昼休みかけっぱなしという生徒は珍しいと思う。  まるで他の生徒からの干渉を避けているかのようだ。  他の時に話をすると普通に受け答えするから、人嫌いとも思えないのだけれど。  私は他の女子とお弁当を食べながら、ちらっと窓際一番後ろの席を見る。  今日も空席。  1週間前に入学して以来、そこの生徒が登校した事は無い。  入院中につき欠席中。  でも、その席に座る筈の少女を私は知っていた。  私はその少女、小島知佳(こじまちか)の事を思い出す。  そして考える。  知佳が話していた三崎君って、本当にこの人なのかなと。  聞いていた筈の彼とどうもイメージが違う。  出身中学も名前も間違いないのだけれども。
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