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例えば誰かが撮った君が写っている写真。
不用意な奴が鍵をかけ忘れた名簿。
SNSの個人データ。
そんな情報の断片から個人情報を組み上げるのは簡単。
その気になれば誰だって出来る」
言われてみればその通りだ。
俺も実名のSNSアカウントを1つ持っている。
ほとんど使っていないけれど。
「しかし俺のような面白みも無い高校生。個人情報を割っても何も面白い事は無いだろう。
クレジットカード情報と結びついている訳でも無いしな」
買い物する時は親父の名義で親父のカードを使う。
それに面白みの無い高校生というのも事実だ。
僕のデータに他人より有用なところなど無い。
「名前をさらすにしても有名人や人気者の方が面白いだろう。
こんなぼっちの高校生に何の用だ」
仮面のおかげで花月朗の表情は読めない。
でも俺は奴が再びフフンと笑った気がした。
「簡単さ。私は協力者を探していたのだよ。
私は現実世界に身体を持たない。ネットワークに接続された場所なら何処へでも行けるのだがね。そこで私をサポートしてくれる存在として君に目をつけた。自分がやっている事を理解出来る程度には頭が良くて、自称無気力で暇で時間がある君を」
何か犯罪の片棒を担がせる気だろうか。
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