第2章 私の興味の行方

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 いやいやそういうんじゃないぞと私は心を引き締める。  私は三崎君に興味を持っただけ。興味の方向を確かめたいだけ。 「わかった」  あっさりと三崎君は同意してくれた。  私は内心のドキドキを隠してスマホを取りだして登録。  ごめんね知佳、そう何となく謝りつつ。  ◇◇◇  病院から駅に向かうバスの中。  1人用の座席に座って私は思う。  うん、大丈夫、まだ知佳に言い訳出来る範囲だ。  三崎君が大変そうだったから。  三崎君がクラス内で孤立しそうだったから。  そういう感じに。  でも本心で私自身がそう思っているのならばだ。  今感じているこの自己嫌悪は何なのだろう。  私は単に三崎君に興味を持っただけ。  ちょっと話したいなと思っているだけ。  できれば三崎君の事をもう少し知って。  そして私の興味の方向がどこへ向かうか知りたいだけ。  そう、今はまだそれだけだ。  ただ困った事が無い訳でもない。  今日の三崎君の受け答えとか考え方とか行動とか。  それが悪くないというか何というか。  前に知佳が言っていた台詞。 『見てて不器用で色々大変そうなんだけれどね。それでもきっと中学時代で一番の親友……』  本当に『親友』なのだろうか     
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