第1章 別れ

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「ブラッディに昨晩、盗みが入りましてね。そして今日はこんな事に…とても残念です」と続けて警官は話している。 俺のせいだ!俺が盗みにさえ入らなければ、澄恵はそこに来る事も無かった。 死ぬ事は無かったんだ! その後、澄恵の所持品を全て持ち帰った。 もう思い出としかならない物を。 俺はそれらを机の上に並べた。 化粧ポーチに携帯、のど飴、ノートにペンケース。 どれも大した物じゃない。 財布はあったが中身は空っぽだった。免許証とスーパーのポイントカードが、数枚残っているだけである。 あのネックレスは見当たらなかった。 あの盗人野郎、金目の物だけ持って行きやがった。 しかしいくら言った所で、澄恵が戻って来る事はない。 そしてその晩、俺は大泣きした。
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