第2章 12月23日

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するとどうした事か、手袋はシュシュッと手にピッタリ装着した。 「うわっ!何だよこれ?」手首に付いてる紐が、締め付けて外そうにも離れない。 「くそっどうなってんだ?」 俺は仕方なく、次に指を鳴らす事にした。 ジジイ、覚えてろよ! パチンッ! 途端に右手が燃える様に熱くなってきた。 「うわっ!どうしたんだ!」 甲の文字が、浮き出る様に赤く光っている。 「うわあっ!」 俺はそのまま、意識を失った。 * * * * 目が覚めると朝だった。 「あれ?俺はどうしてここに?」自分の部屋だ。 俺は起き出してリビングに向かった。 すると「拓郎!これどうしたのよ?」と澄恵がネックレスを手にぶら下げて、奥の部屋から飛んで来た。 「ええ!澄恵、どうしてここにいるんだ?」俺は訳が分からなかった。 「二人の家なんだから、当たり前じゃない。それよりまた昔の癖が出たのね!あれだけ約束したのに!」 澄恵は少し、涙を浮かべていた。 俺は澄恵に訊ねた。 「所で、今日は一体何日だ?」 「何言ってんの?十二月二十三日じゃない。どうせブラッディから盗んだんでしょ?この大馬鹿者!」 澄恵は、呆れた顔をして出て行った。 彼女は花屋で働いており、今は大忙しの筈だ。 俺は壁に掛かったカレンダーを見つめた。 「どうなってんだ?これって…」 すると俺は、はっと思い出した。 「駄目だ!澄恵!ブラッディに行っちゃ駄目だ!」 俺は慌てて家を飛び出した。
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