第2章 12月23日

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やけに道が渋滞していた。 「くそっこんな時に!」時計を見ると、まだ昼前だ。襲われたのは夕方と聞いている。 まだ間に合うはずだ。 そしてブラッディの路地の前に車を停めた。 「嘘だろ?なんで…どうして!」 そこにはうずくまって倒れている、澄恵の姿があった。俺は動かない澄恵の前で膝まずき、大声を上げた。 霊安室を出て、どれ位が経ったのだろうか? 昼の最中に通り魔なんて… せっかく神様が時間を戻してくれたのに…神様? 俺はあのじいさんの顔を思い出した。 「後悔しない様にのう…」そう言っていた。 「あれはどこだ!」俺は部屋に帰ってから、あの手袋を探した。 するとベッドの隙間に落ちていた。 元のダボダボの大きさに戻っている。 「これで時間を逆のぼれるのか?」 俺はもう一度、手袋をはめて指を鳴らした。 パチンッ! そうすると、瞬く間に意識が薄れて行った。 そして再び目が覚めた時、俺はまた、あの日の朝を迎えていたのだ。
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