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やけに道が渋滞していた。
「くそっこんな時に!」時計を見ると、まだ昼前だ。襲われたのは夕方と聞いている。
まだ間に合うはずだ。
そしてブラッディの路地の前に車を停めた。
「嘘だろ?なんで…どうして!」
そこにはうずくまって倒れている、澄恵の姿があった。俺は動かない澄恵の前で膝まずき、大声を上げた。
霊安室を出て、どれ位が経ったのだろうか?
昼の最中に通り魔なんて…
せっかく神様が時間を戻してくれたのに…神様?
俺はあのじいさんの顔を思い出した。
「後悔しない様にのう…」そう言っていた。
「あれはどこだ!」俺は部屋に帰ってから、あの手袋を探した。
するとベッドの隙間に落ちていた。
元のダボダボの大きさに戻っている。
「これで時間を逆のぼれるのか?」
俺はもう一度、手袋をはめて指を鳴らした。
パチンッ!
そうすると、瞬く間に意識が薄れて行った。
そして再び目が覚めた時、俺はまた、あの日の朝を迎えていたのだ。
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