喫茶店

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彼女の表情は一変した。 大きく開かれた瞳は日の光や若葉の色を吸収し、色とりどりに彩られ、その上を走るように光が煌めく。 彼女のチャームポイントでもある大きな口も、頬を吊り上げ、薄く開かれ、まるで甘い上品なスイーツを一口頂く様に、幸せを感じる様に開かれる。 そんな、吸い込まれる様な、キラキラと眩しいような表情からニッコリと笑顔になる。 幸せをふんだんに含んだ表情から、幸せを振り撒く表情にかわるんだ。 そう、この笑顔こそ、僕の初恋だった。 「うん、わかった」と言って彼女は立ち去って行った。 僕は久しぶりに彼女の全開の笑顔を見て、少し目を回していた。 「本当に初恋って、いつまでも初恋だな……。でもこれで、良かった。」 後は、この過去の自分に手紙を書いておこう、経緯なんかも含めて。 そうすれば多少は良くなるだろう……。 と言う事で、僕は過去の自分に手紙を書いた。 キンコカンコンと昼休みが終わるチャイムがなる。 さて、やることも終わったし、後は現代に戻るだけ……だけどどうやって? こういうのってやることやったら帰してもらえるとかじゃないんだ?……。 僕は手を合わせ強く帰る事を願った。 次は両手を高く上げて願った。 ちょっと大きな声で言ってみた……。 ダメだ……帰れない……。 とりあえず、授業受けないと……。 僕は、とりあえず教室へと向かった。 廊下に響くのは先生達の声……もう授業中が始まっている。 だが都合が良いと言えば都合が良い。 半分忘れているのでクラスが思い出せない、でもメンツは覚えている。なのでみんなが揃っていれば見付けやすいのだ。 まず一組は……違う!二組は……違う! 三組……どうやら三組のようだ!見た顔がちらほらいる。 確か席はえのちゃんの隣……あ、やっぱり空いている。 まあ、隠れていても仕方がないよね。 僕は重々しい木の引き戸を開けた。 みんなの視線が一気に集まる。 先生は……あちゃー……出川か……。 数学の先生に小うるさい、若かれし頃の出川哲朗によく似た、チビな先生がいた。 よりによってそいつだった。 「河野くん?君は何時だと思っているのかな?」 とりあえず、反抗するとめんどくさい。 「すみません!寝てました。」 と適当にいった。
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