お大事に！

　赤ワインにシナモン、クローブを入れる。
　オレンジとレモン、りんごを加え、砂糖も入れてコトコト煮込む。
　甘い香りが部屋いっぱいに拡がり、出来上がったヴィン・ブルレを持って、隼人は寝室のドアを開けた。
「温まるもの、持ってきたぞ」
「ありがとう」
　ベッドには、風邪をひいて臥せっている圭。
　全くこいつはガキの頃からよく風邪をひく、と苦笑いして腰掛けた。