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では、なぜ今回それを唱えるに至ったのか、理由は単純明快で、この世界をぶっ壊したかったからの一点に尽きる。物理的な破壊行動ではなく、もっと他力本願的な何かで、俺にやさしくないこの世界をぶっ壊す。
その切っ掛けとなったのがこの魔道書。
『唱えると、マジヤバすぐ効く、魔法大全』
コンビニで税込み1080円で売りに出されていた代物である。
俺は仰向けに寝そべったまま少しだけ待つことにした。なぜなら発動に時間がかかると思ったからだ。が、それにしても遅い。むしろ一向に発動する気配すらしない。ひょっとしてスペルを間違えたのだろうか。いや、この有名な三文字を間違えるとかどんだけ。しかし、いやされど、いやひょっとすると俺の思い違いで、実はパルスだったのかもしれない。人生そのような間違いは往々にして起こるもの、と考えるに至り、付箋で閉じていたページをもう一度読み直そうとめくってみる。
呪文のスペルは合っていた。説明文も異常なし。ところが、呪文発動後のイメージイラストの下に、小さい文字でこんなことが書かれていた。
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