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「あばよみんな。ひと足先に、いや、ひと足どころでは済まねーな。とにかく俺は俺の信じる道を進み、この腐りきった世界を変えてやる。しゃっ行くぜ! ピーリカピリララ・ポポリナペーペルトォォォォーーーー♪」
俺の魂の叫びが真夏の闇に吸い込まれていく。
こんな快感はいつぶりだろうか。昔ライブで歌った時よりも完璧な発声だったと思う。
とそこで、向かいの二階の窓辺に人がいることに気がつく。
「ありゃたしか、山下さんちの桜ちゃんじゃねーか。微動だにしねえつーことは、早速呪文が効いたのか? ぐひょひょひょよっしゃあああ。アイドルグループAK-47の射せ子似の桜ちゃん。犯罪レベルの年の差だが今この世界は俺の手の中。何でも思いのままってことプククク……」
俺はとびっきりの笑顔を作って口臭を確認し、
「やあ桜ちゃんこんばんわ。僕のこと覚えてるかな。ちっちゃい頃よく遊んであげた向かいの時生翔30歳独身ヒキニー、ああああっと違った違った……あっぶねー、もうちょっとで自爆するこだったぜ……コホン。おっと失礼。さっそくだが、君の瞳を逮捕してしまっても――」
「きいゃああああああああヘンタイいいいいいいいい」
「どうわあああちょちょちょ、桜ちゃ――」
ピシャン。シャッ。カチャリ。トントントントン「お母さーん」
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