地球最後のメッセージ

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こんな感じなんだと思いながら、暗闇をさまよう。  「光だ・・」 僕はその光を求めて、歩いた。光をくぐる。 目を開けた。  「天国、ではなさそうだ」 見覚えのある天井。何か聞こえる。  「・・える?聞こえる?」 とっさに振り向く。  「よかったぁ」 ん?。 知らない人だ。でも見たことがある・・。 病院だった。  「なんで・・」 訳がわからなかった。 僕は死んだんだ。 だが、すべてを思い出して、思い出して、僕は涙を流した。  「死んだんだ・・」 僕には彼女がいた。 だが、交通事故で死んだ。 僕は軽傷だった。  「ぼくをおいて、どこいったんだよ・・」 僕は泣きじゃくった。 泣いて、泣いて、泣きじゃくった。 その時僕は、夢で見た彼女の言葉を思い出した。  「あ・・そうか・・君だったんだ」 やっと理解できた。 君が最後に僕に送ったメッセージだったんだ。もういない彼女を思って、泣き叫んだ。 そして・・。 僕は、桜の並木道を歩いていた。 春風が暖かかった。 もう彼女への涙は出尽くした。これからは前を向いて歩いて行こう。  「君は僕に忘れてって言ったよね」 呟いた。 でも無理だった。 忘れられなかった。 でも僕は一歩を踏み出さないとならない。 そして、いつまでも君は僕の記憶として生きていて。 君は、僕の光だ。
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