地球最後のメッセージ

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今日、僕は、いつもの憂鬱な日々を過ごしていた。 いつもの変わらない日常を過ごしていた。 そんな、平凡な日常。 だが、そんな平和な日常に終止符を打つかのように、全国のニュースにそれは発表された。  「・・・・」 隕石が地球に衝突するらしい。 しかも明日。 つまり簡単に説明すると、明日・・。 地球が滅亡する。 全てが終わるのだ。 外は騒がしかった。 当たり前だ。 明日、世界が終わるのだ。 だが、そんな中、僕は冷静だった。 なぜだろう。わからない。 でもきっと、こんな状況でも冷静なのは僕だけ。 それだけは分かった。  「どこかに行くか」 僕は歩を進ませた。 いつもは静かな道。でも今日は違う。  「はぁ・・」 ため息が出た。 ギャーギャー騒ぐ隣人たち。 今騒いだって、隕石が避けてくれるわけでもないし。  「うるさいなぁ」 静かなところに行きたかった。 僕は歩いた。 静かな場所を求めて歩いた。  「きれいだなぁ」 静かだ。 きっとここが世界で唯一静かな場所。 明日、世界が終わるとは思えないぐらいきれいで、美しい音だった。  「海・・・かぁ・・」 そう、海。 僕がたどり着いたのは海だ。 さざ波だけが聞こえる。そのくらい静かだ。
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