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「うーん、よく似ていると思うんだけどなぁ。でもちょっと違うよね? 本で読んだオオサンショウウオってもっとこう、足が短かったし、それにシエルみたいに可愛くなかったもん。目なんてどこにあるのかも分からなかったし……。それにイボがあるって書いてあったし、けどシエルはツルツルだし……。やっぱり違うのかなぁ? シエルどう思う?」
エレナの問いかけになどまるで興味が無いように、シエルは尻尾を揺らし続けた。その反応に気を悪くしたのか、エレナはムスッと頬を膨らませた。
「もう、シエル聞いてよね! 貴方の事なんだから!」
エレナがそう叫ぶと、驚いたのかシエルは体を大きく揺らして、彼女の手から滑り落ちた。そのままのっそりと歩き出し、ベッドの下へと潜ってしまった。
「ご、ごめん、ごめんねシエル。もう怒らないから出てきて? お願い」
エレナは切ない声でシエルを呼んだ。だがシエルの反応は無く、エレナはベッドの前で座り込み、シエルの機嫌が直るのをただひたすら待ったのだった。
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