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「雅紀、次の化学の移動教室一緒に行かねぇか?」
「いいぞ。行こうか。」
「よっしゃ、じゃあ早速行くぞぉぉ!」
「あっ、おいっ!」
俺、四宮雅紀、16歳、高校二年生。至って普通の男子高校生だ。
「おい、拓海っ!引っ張るなって!」
「あ、ごめんごめんっ!」
俺は拓海の腕を振り払う。
「なぁ、雅紀…。」
「……何?」
「この授業終わったら俺と……」
拓海が言い終わる前に俺の背後から俺を呼ぶ声がする。
「雅紀くーん!」
その声に恐怖を感じながらも、振り返って見ると見慣れた数人の男子生徒。
「ここで会えるなんて、運命感じるねー!」
「別に…次、移動教室だからだよ。」
「冷たいなぁ…また放課後、いつもの場所にな。ちゃんと来いよ!」
アハハと笑いながら、彼らは自分の教室に戻っていく。
「ごめんね、それでさっき何か言いかけてたけど…何?」
「…いや、何でもない。」
「はぁ?何だよそれ。」
すると、予鈴のチャイムが鳴った。
「やばっ、予鈴鳴ったよ!早く行こう!」
急いで化学室に向かおうとした時、腕を掴まれた。そして、腕を引かれ抱きしめられる。
「…拓海?何?早く行かないと…」
言い終わる前に突然、耳を軽く噛まれた。
「ひっ……」
ビクンッと体が反応した。何…この気持ち……。アイツらにされた時はこんな気持ちにならなかったのに…。拓海は俺の耳を甘噛みしたまま、俺の制服の中に手を入れてくる。
「ちょっ…拓海っ…!」
乳首を触られる。また体がビクンッと反応する。
「ひゃあっ…」
「雅紀…可愛い…」
何度も触られ、あまりにも気持ちよすぎて俺は足から崩れ落ちる。
「……拓海の馬鹿…」
ボソッと呟いた。すると拓海が、口を開く。
「雅紀、今日はもう帰った方がいい。」
「…え……?」
もう帰った方がいい?何で?拓海は、俺の様子を気にせずに続ける。
「何か最近顔色悪いよ、お前。具合悪いんじゃないのか?」
「…そんなに、悪かった…?」
「今も悪い。」
「でも…具合なんて悪くないけど……ぁ…」
思い当たることがあり、思わず声に出してしまった。
「何?やっぱり具合悪いんじゃ…」
「違うよ。悪くはないから。」
「じゃあ、何?」
「……言えない。」
「教えろよ。誰にも言わねぇから!」
拓海の目を見ると、とても真剣な目をしていた。その目ならいいかなと思い、俺は打ち明けた。
「廊下で俺に話しかけた奴らいただろ?アイツらに、ヤられてるんだよ。」
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